う蝕とは
象牙質の虫歯と歯髄(俗に神経)
前回、コラムでお話したエナメル質が脱灰しで(溶け出して)その下層の象牙質まで進行したものは、 C2(う蝕第2度)と分類される。
昔、歯科大学で象牙質と歯髄(俗に神経)別々に習いましたが、現在は、象牙質歯髄複合体として教科書に記載されています。
象牙質は、歯髄につながる重要な部分です。
象牙質は、下層にある歯髄(俗に神経)に向かって細い管あり、虫歯菌は、その管に入り込んで虫歯の進行に伴って歯髄に入ります。
エナメル質に比べ象牙質は、有機質が多いので、虫歯の進行は早く進みます。
早期に治療することが、最も大切です。
早期発見するには、しみる、痛いなどの症状がでる前に歯科医院を受診し検査を受けることが大切です。
検査は、歯科医師による視診(見ること)、触診、光を使用する画像検査法、レーザーを使用した検査、レントゲン検査などがあります。
歯は、複雑な形をしているので、色々な検査を組み合わせて行います。
レントゲン検査は、撮影機械によっては隣接面(歯と歯の隣合っている面)の虫歯が写らないものがありますので、注意が必要です。
器械を使う検査は、医院よって内容がかわりますので、気になる方は主治医とご相談ください。
早期の象牙質虫歯は、健康保険範囲内の治療で対応可能です。
不幸にも、虫歯が進行して歯髄の近くまで進行した場合は、虫歯菌を全て取り除き、歯髄(俗に神経)を保護して治療することができます。
象牙質の虫歯が歯髄に到達した状態をC3(う蝕第3度)です。
う蝕の細菌が感染を起こし、激しい痛みがあると、神経を取らなくてはなりません。
症状がない場合は、神経をとらずに残す治療が可能です。
歯髄を残す治療は、感染した歯髄を取り除いて、露出した歯髄に薬剤を貼付し、しっかり封鎖する処置になります。
これに使用する薬剤は、健康保険適用の薬剤、保険外の薬剤がありますが、よりよいものは保険外の薬剤になります。
これらの処置は、歯科医院にごとに内容(マイクロスコープを使用したり、ラバーダム使用など)、価格が異なりますので、主治医と良くご相談されるのがよろしいでしょう。
歯の神経を取ると歯がもろくなったり、虫歯の再発に気づきにくいことが原因で
歯の寿命が短くなったりなどのデメリットがあります
ご自身の歯を末永く残すには、できるかぎり神経を取り除かないことが大切です。
そこで近年注目されているのが、MTAセメントなどを使用した歯の神経の保存治療です。