表側(ワイヤー)矯正とは
歯の表面にブラケットという装置を特殊な接着剤で装着し、そこにワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。最も古くから一般的に行われてきた矯正方法ですから、これまで蓄積されてきた膨大な症例があるため幅広いケースで歯列矯正可能です。
表側(ワイヤー)矯正の特徴
メリット
- 世界的に長く行われてきて実績のある矯正法なので、幅広い症例で適切な矯正治療が可能
- 24時間、歯を動かす力はしっかり働くため、治療期間が比較的短い
デメリット
- 金属のブラケットやワイヤーを使った場合、装置がかなり目立つ
- 特にはじめて装着した時には、会話や食事、発音がしにくい
- 装置があるため歯の磨き残しができやすく、虫歯や歯周病リスクが高くなる
- 装置が歯面より出ているため、粘膜を傷付けることがある
- 装置が外れるトラブルが起こる可能性がある
- 金属アレルギーの場合、使用できない装置がある
ワイヤー矯正装置の種類と特徴
表側(ワイヤー)矯正では、金属製のメタルブラケットと、透明感のある素材で作られたクリアブラケットがあります。
メタルブラケット
矯正治療で一番多く用いられてきたもので、金属製のブラケットを歯の表面に付けて歯を動かします。金属なので目立つという問題はありますが、薄くて丈夫に作ることができ、他の装置よりも比較的価格を抑えることができます。治療費や通院回数を減らしたい、矯正期間を短くしたい、見た目にはそれほどこだわらないという方におすすめできます。
メリット
- ほとんどすべての症例で治療が可能です
- 治療費が比較的安価で、治療期間や通院回数も抑えることができます
デメリット
- 装置が金属なので目立ちます
- 金属アレルギーがある場合は使えません
- ワイヤーやゴムなどにより、違和感や不快感につながることもあります
- 強い力をかけると粘膜を傷付けやすく、口内炎リスクもあります
- 慣れるまで食事や会話、歯磨きがしにくいことがあります
クリアブラケット
歯の表面に付けるブラケットが透明な素材で作られているため、歯の色調にかかわらず装着が目立ちにくくなります。また、日本人に合わせた設計ですから痛みの軽減やスムーズな移動なども可能になっています。
メリット
- 透明なので目立ちにくい
- 歯が移動する際の痛みを軽減する設計がされている
- ブラケットとワイヤーの摩擦を軽減し、スムーズな歯の移動が可能
- 治療期間はメタルブラケットよりも短くできる
- 歯や顎が欧米人より小さい日本人に合わせてあるので、無理のない治療が可能
デメリット
- 変色する可能性がある
- メタルブラケットに比べると強度がやや劣り、費用もやや高額になる