歯並びは見た目だけの問題ではありません
現代人は顎が小さくなる傾向が強く、デコボコの歯や隙間、出っ歯など歯並びに問題がある方が増えています。歯並びの乱れがコンプレックスになってしまうと会話や食事を自然に楽しめなくなってしまいますし、コミュニケーションを積極的にとれずやりたいことをあきらめてしまうことにもつながりかねません。
そして、歯並びが乱れると噛み合わせも乱れ、顎の関節や周辺の筋肉にトラブルを起こします。
首や肩、頭などの慢性的なこりや痛み、全身バランスへの乱れなど、歯並びの乱れは、身体へもさまざまな悪影響をおよぼす可能性があります。歯列矯正は、単に見た目を整えるのではなく、口内と全身の健康を整えるためにも重要なのです。
歯並びにこんなお悩みはありませんか?
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
いわゆる「出っ歯」です。上の前歯が下の前歯より前に出ている状態で、顎の成長バランスの崩れによって起こります。上の前歯あるいは上の歯列自体や上顎が大きく前に突き出ており、指しゃぶりや口呼吸などの癖が原因となって起こるケースがあります。
空隙歯列(くうげきしれつ)
いわゆる「すきっ歯」です。歯と歯の間にある隙間が広い状態です。顎の大きさに対して歯が小さい、歯の本数が足りないなどで起こります。歯にものが挟まりやすく、中心部分が開いていると大きく目立ちます。
反対咬合
いわゆる「受け口」です。下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。上の歯が後ろに向かって生えているケース、下顎の過度な発達、上顎の発達不足など原因はさまざまです。顎がしゃくれた感じになり、発音が不明瞭になったり、しっかり噛めないなどのトラブルが起こりやすくなります。
叢生(そうせい)
前後に重なるなどデコボコした歯並びで、乱杭歯や八重歯も含まれます。歯の大きさに比べて顎のスペースが足らずに重なり合って生えてしまいます。磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病リスクの高い歯並びです。
上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上下の顎自体が前に突き出ている状態です。口を閉じにくいため、口呼吸になりやすくインフルエンザなどの感染リスクが高い状態です。また、舌や口内の粘膜を歯で傷付けやすいため、スポーツなどの軽い接触でも大きなケガにつながる可能性があります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
上の前歯が深く被さって、下の前歯が少ししか見えない状態です。食べ物を噛み切ることに困難がともなう、明瞭な発音に支障が現れるなどが起こりやすくなっています。
交叉咬合(こうさこうごう)
上下の歯の中心がずれている状態です。上下が前後や左右にスライドしていて、前歯や奥歯が交叉し、食事の際に食べ物をうまくすり潰せないことが多く、顔のゆがみにつながるケースもあります。
開咬(かいこう)
奥歯は噛み合っているのに上下の前歯が閉じない状態です。食べ物を噛み切ることが困難で、空気が漏れるため明瞭な発音にも支障が現れやすい歯並びです。
歯並びの乱れが起こす全身トラブル
顎は関節の中で最も大きく、全身につながる太い神経や血管にとても近く、顔や首、脳といった重要な部分がすぐそばにあります。そのため、正常ではない歯並びによる噛み合わせの乱れは、全身のさまざまな不調を起こす原因につながります。
耳鳴り
顎が後ろにずれている場合、耳の重要な機能を果たす部分が圧迫されて耳鳴りを起こすことがあります。
頭痛・肩こり・首こり
噛み合わせが乱れると顎周辺の筋肉が絶えず緊張して硬くなり、血行が悪くなることで疲労物質がたまって、慢性的な頭痛や肩こり、首こりを生じさせます。
消化不良・胃腸障害
しっかり噛めないため咀嚼不足の食物を飲み込んでしまうため、胃腸への負担が増えてしまいます。
虫歯・歯周病
歯列が整っていないと歯ブラシでは磨けない部分や磨き残しが多くなるため、プラークや歯石がたまりやすくなり、虫歯や歯周病リスクが上昇します。原因菌が口内に絶えず大量に存在する状態になってしまうため、丁寧にしっかり歯磨きをしているつもりでも再発・進行しやすくなります。
生理痛や生理不順
噛み合わせの悪さは首の頸椎にもゆがみを生じさせることがあります。これによって自律神経の働きが乱れてホルモンバランスが崩れ、生理痛や生理不順などのトラブルを生じやすくします。また、自律神経の乱れはイライラや不眠、便秘などにもつながりやすいとされています。