歯のコラム

2024.05.19

歯科用CTとマイクロスコープ

歯科用CT(コンピュータ断層撮影)

歯科用CT(コンピュータ断層撮影)は、従来の2次元のレントゲン撮影に比べて、人体の周りを機械が回転してX線をあてながら体内の情報を集め、コンピュータ処理をして輪切り像を撮影する検査のことです。15秒で人体の内部の様子を3次元で詳しく調べることができ、歯や周囲の組織を非常に詳細に見ることができます。これにより、歯の状態や根の形態などをより正確に評価することが可能になります。

上の画像は、下の犬歯の一つ後ろの歯(第一小臼歯)の歯ぐきが腫れています(その後ろの歯が根の治療中ですが!?・・・)。平面のレントゲンで観察すると根の治療済みの歯でした。歯科用CTで撮影し、歯を水平断面で見るとお薬(根充材)とは別に根管(神経が入っていた管)が確認できます。腫れの原因は、下顎第一小臼歯が2根管のために起きていることがわかります。

上の画像は、左下奥歯の根の治療前に全体像を把握するのに2次元像のパノラマレントゲン、CTで前額断や矢状断、水平断面から観察ができるので、根管の状態、骨内の病巣状態を明確に把握でき治療を能率的に進めることができます。

この画像は、インプラント周囲炎で、インプラントの周りの骨がなくなって上顎洞(蓄膿症丹なったときに膿んでしまう所)に波及しているのがわかります。近年機器の進歩により、金属が入っていても画像がハレーションを起こさず、たいへん見やすくなっています。

歯科用CTは、歯のみでなく口腔周囲をある程度の範囲で撮影できるので、歯科領域以外の疾患がみられる場合は他科に受診をお勧めすることができます。この画像は、副鼻腔に病変(耳鼻科領域)がみられます。

このように通常のレントゲン写真ではわかりにくい立体的に見ることにより、歯や顎の骨組織の3次元的な形態の把握、病巣の状態を正確に理解し、治療計画を立てることができます。

技術の進歩により、歯科用CTの撮影時の放射線被曝量が低減されています。これにより、患者への被曝リスクを最小限に抑えながら、必要な情報を取得することができます。

 歯科用CTは、高精細での撮影で、歯の根管状態を把握できて根管治療の成功率を高めます。他にインプラント手術の計画、歯科矯正治療、歯周病の評価など、さまざまな歯科治療において役立ちます。

歯科用CTは非接触型の検査ですので、患者に痛みや不快感を与えることなく撮影が行えます。当院のCTでは、高精細で15秒で撮影が終わります。

これからの歯科診療において歯科用CTは非常に有用であり、より正確な診断や治療欠かせないものです。

ただし、健康保険では、撮影する部位や症状により適応が細かく決められており保険で出来ない場合もあります。その場合は、自費での撮影になります。

当クリニックの費用は、健康保険の3割負担で、3,700円位、自費で12,000(税込)になります。

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