- 悪化を招く3つの習慣
- 悪化がもたらす5つの悪影響
- 噛み合わせの治療方法
噛み合わせの悪化を招く3つの習慣
噛み合わせが悪化する原因のほとんどは、私たちが普段何気なく行う些細なクセや習慣によるものです。特に、下記のようなクセや習慣のある方は、普段から十分な注意と対策が必要です。
1. ストレスなどによる食いしばり・歯ぎしり
過度のプレッシャーやストレスを感じると、口周りの筋肉が無意識にこわばり、日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしりを引き起こします。これらの習慣が継続されると、歯に負担が生じて噛み合わせが悪化します。
2. 姿勢の悪さ
いつも決まった方の足を上にして足を組む、決まった方の肩にバッグを掛けている、決まった方向に顔を向けて睡眠をとるなどの癖がある方は注意が必要です。こうした姿勢が継続的に行われると、身体が徐々に歪み、噛み合わせにも影響が現れる場合があります。
3. 頬杖や噛み癖などのクセ
あなたはテレビを見るとき、頬杖をつきながら、いつも決まった方向に向いて画面を見ていないでしょうか?こうしたクセは、顔の一部へ継続的に力が加わることで、骨が変形して噛み合わせに悪影響をおよぼす恐れがあります。また、食べ物を右の歯で噛むことが多い、といった噛み癖も要注意です。
噛み合わせの悪化がもたらす5つの悪影響
悪い習慣によって噛み合わせが悪化すると、次のような悪影響が現れる場合があります。
1. 虫歯になりやすい
噛み合わせが悪くなると虫歯になるリスクが高まります。通常、人はものを噛むとき、歯と歯がぶつかり合うことである程度の汚れを自然に落としてくれる特徴があります。しかし、噛み合わせが悪いと、歯のぶつかる面積が小さくなり、汚れが十分に落とされず、虫歯になる可能性を増やします。
2. 歯周病になりやすい
噛み合わせが悪いと、噛んでいる歯に負担がかかって歯周病になりやすくなります。また、人は30歳を過ぎるあたりから身体の抵抗力が落ちるため、歯周病のリスクはさらに高まるでしょう。
3. しっかりと歯科治療を行うことが難しい
歯が凸凹している、斜めになっているといった噛み合わせを持っている方は、ブラッシングが難しくなると同時に歯科治療も困難になります。
4. 顔に歪みが出やすくなる
片方の歯だけで噛むクセ(噛み癖)が習慣化して噛み合わせが悪化すると、顔の筋肉(表情筋や咀嚼筋)がバランスを崩して、顔の形が徐々に歪んできます。また、顔の筋肉の下にある骨は、筋肉の厚みによって変形するため、顎の形も次第に歪んでしまう場合があります。
5. 頭痛・肩こりを起こしやすい)
噛み合わせが悪いと、顎の関節から頭の横につながる筋肉(側頭筋)が緊張を起こし、頭痛を誘発する場合があります。また、噛む筋肉が歪んでくると、首や肩にかけて繋がっている広頸筋(こうけいきん)に負担がかかり、肩こりを起こしやすくなります。
噛み合わせの治療法
セルフケア
食いしばりや歯ぎしり、猫背、頬杖、うつぶせ寝といった日々の習慣が原因となって噛み合わせが悪化している場合、普段の生活習慣を見直すセルフケアが治療の要となります。
セルフケアでは、基本的に「顎へ負担をかけないこと」を意識してもらい、噛み合わせを悪化させているクセや習慣が出ないように心がけていただきます。また、片方で噛むクセのある方は、両方の歯で均等に噛むように注意していただきます。
さらに、顎の筋肉の緊張をほぐして関節まわりに加わった負担を解消するためのマッサージ法やストレッチ方法についてもご指導いたします。
マウスピースによる治療
睡眠中の歯ぎしりによる「歯の擦り減り」が噛み合わせ悪化の原因となっている場合は、歯がこれ以上擦り減らないようにマウスピース(スリープスプリント)で保護する治療を行います。また、歯の擦り減りが激しい方には、擦り減った部分を補填するため、仮歯や矯正、セラミックなどを使って治療を行う場合があります。
スプリント矯正
シリコンやレジンでできたマウスピースを装着し、身体に顎の正しい位置を覚えさせることで、顎関節にかかる負担を減らし、噛み合わせを修繕します。
鎮痛剤・消炎剤の処方
開口時に痛みが生じたり、炎症が起きているなど、顎関節への負担が大きい方には鎮痛剤や消炎剤を服用していただきます。慢性化した炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。