歯周病が進行すると歯がぐらつく?放置するリスクと治療法

歯科コラム 2026年10月16日(金)

こんにちは。横浜市泉区「立場駅」より徒歩1分にある歯医者「立場駅前歯医者・矯正歯科」です。

歯周病でぐらついている歯

歯周病は日本人の成人の約8割がかかっている、もしくは予備軍とされる身近な病気です。自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することが多いです。

なかでも、歯がぐらつくといった症状が現れたときには、すでに歯周病がかなり進行している可能性があります。「歯が揺れるけれど、痛みがないからそのままでいいか」と思うかもしれませんが、放置すると歯を失うリスクが高まります。さらに、全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。

今回は、歯周病によって歯がぐらつく原因や放置するリスク、治療法などについて解説します。

歯周病とは

歯周病の進行の様子の模型

歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまったプラーク(歯垢)に潜む細菌によって、歯を支える組織が炎症を起こす病気です。初期段階では歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきのときに出血したりする程度の症状が現れますが、多くの人が気づかないまま進行していきます。

やがて炎症が歯を支える骨にまで及ぶと、歯のぐらつきや口臭、噛みにくさなどのトラブルが出てきます。重度になると歯が自然に抜け落ちることもあるため、早期発見と治療が大切です。

歯周病が進行すると歯がぐらつく?

ぐらつく歯を鏡で確認している男性

健康な歯は、顎の骨と歯ぐきにしっかり支えられており指で押した程度で動くことはありません。しかし、歯周病が進行していくと、歯を支える組織が少しずつ破壊されていきます。特に、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットというすき間が深くなっていくと、細菌が繁殖しやすくなり、炎症が広がります。

さらに歯周病が悪化すると、歯槽骨という歯を支える骨が溶けていきます。この骨が失われると歯の安定性が低下して、ぐらぐら動くようになるのです。日常生活のなかで、食べ物を噛んだときや歯ブラシで磨いたときに歯の揺れを感じるようになったら、それはすでに歯周病が中等度から重度に進行しているサインと言えるでしょう。

歯がぐらつく状態を放置するリスク

リスクの文字を虫眼鏡で見ているイメージ

歯のぐらつきをただの老化現象や一時的なものだと思って放置すると、口腔内だけでなく全身の健康にまで影響することがあります。以下に、ぐらつきを放置することで生じる主なリスクをご紹介します。

歯を失うリスクが高まる

歯周病を放置した場合、最も深刻な結果の一つが歯の喪失です。歯を支える骨が大きく吸収されると、自然に歯が抜け落ちる可能性も出てきます。

歯を失うと見た目への影響だけではなく、噛む機能が大きく損なわれ、日常生活に不便を感じるようになります。さらに、噛む力の低下は消化器への負担にもつながり、全身の健康にも悪影響を及ぼすおそれがあります。だからこそ、少しでも違和感を覚えたら、できるだけ早く歯科医院で診察を受けることが重要なのです。

噛み合わせや発音に影響する

歯がぐらつくと、上下の歯が正しく噛み合わなくなり、食べ物をしっかり噛めなくなることがあります。ずれた噛み合わせのまま生活を続けると、あごの関節に負担がかかり、顎関節症(がくかんせつしょう)を引き起こすこともあります。

また、前歯がぐらついている場合は、発音が不明瞭になったり、空気が漏れて話しにくくなったりすることもあります。話しづらさによるストレスや、人と話すことへの抵抗感にもつながるため、早めに対処することが大切です。

全身の健康にも影響する

歯周病菌は口の中だけにとどまらず、血液を通じて全身に広がることがあります。その結果、糖尿病や心疾患、脳梗塞、誤嚥性肺炎、さらに妊娠中の早産リスクの上昇など、全身のさまざまな健康被害と関連することが明らかになっています。

特に、糖尿病とは相互に悪影響を及ぼし合う関係にあり、歯周病が悪化すると血糖値のコントロールが難しくなることもあります。歯ぐきの腫れや出血を軽く考えず、全身の健康を守るためにも、早めに歯周病の治療を受けることが大切です。

歯周病が原因で歯がぐらつくときの治療法

ルートプレーニングのイメージ

歯周病が原因で歯がぐらつく場合でも、早期に適切な治療を行えば、多くの場合は歯の保存が可能です。歯科医師の診断のもとで進行度に合った治療プランを選択することが重要です。

スケーリング・ルートプレーニング

歯の表面や歯周ポケット内に付着したプラークや歯石を専用の器具で取り除く処置をスケーリングといい、さらに歯根の表面をなめらかに整える処置をルートプレーニングといいます。

これらは歯周病治療の基本であり、進行を防ぐうえで非常に重要です。ポケット内を清潔に保つことで細菌の繁殖を抑え、炎症の改善を目指します。

歯周外科治療

歯周病がある程度進行している場合には、歯周外科治療が必要になることがあります。もっとも一般的なのはフラップ手術で、歯ぐきを切開して歯根まで露出し、歯石や感染組織を直接取り除く方法です。

ほかにも、溶けてしまった骨の再生を促す歯周組織再生療法などを行うこともあります。これにより、歯周組織の回復や歯の安定化が期待できます。

歯周組織再生療法

歯周病によって失われた骨や組織を再び取り戻すための高度な治療が、歯周組織再生療法です。この治療では、特殊な薬剤や人工膜を用いて、失った歯の周囲の骨や歯ぐきの組織を再生させることを目指します。これにより、歯を支える土台が強化され、ぐらつきの改善が期待できます。

ただし、すべてのケースに適応できるわけではなく、歯や骨の状態によっては再生が難しいこともあります。

噛み合わせの調整

噛み合わせのバランスが悪い状態が続くと、特定の歯に過剰な力がかかり、ぐらつきや歯周組織へのダメージが進行する原因になります。特に歯周病が進んでいる場合は、わずかな噛み合わせのズレでも歯に強い負担をかけることがあります。

噛み合わせの調整では、歯を削って高さを整えたり、被せ物の形を修正したりすることで、力のかかり方を均等にし、歯周組織への負担を軽減します。

歯周病を予防する方法

歯の模型と歯ブラシやスケーリング用器具

歯周病を未然に防ぐためには、日々の口腔ケアと生活習慣の見直しが重要です。

正しい歯磨きの実践

予防の基本は毎日の歯磨きです。ただし、磨いているつもりでも、正しく磨けていなければ十分な効果が期待できません。歯と歯ぐきの境目に45度の角度で歯ブラシを当て、優しく小刻みに動かすバス法が推奨されています。また、歯の裏側や奥歯の奥、歯間など、磨き残しの多い部分にも丁寧にアプローチすることが重要です。

歯磨きは1日2回以上、1回につき最低3分以上を目安に行いましょう。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病を防ぐには、セルフケアだけでなく、歯科医院でのプロフェッショナルケアも欠かせません。定期的に歯科検診を受けることで、自分では気づきにくい歯ぐきの炎症や歯石の付着を早期に発見・対処できます。特に、奥歯の周囲や歯ぐきの深い部分は磨き残しが多く、歯科衛生士による専用の器具を使ったクリーニングが有効です。

初期の歯周病であれば、専門的な清掃とブラッシング指導によって症状の進行を防ぐことができます。また、検診を定期的に受けることで、患者さん自身の口腔内への意識も高まり、日々のケアがより丁寧になります。

一般的には3ヶ月から半年に1回の頻度で歯科を受診することが推奨されています。ただし、口内の状態によって適切な頻度は異なるので、歯科医師と相談しながら受診を続けることが大切です。

生活習慣の改善

歯ぐきの健康を守るには、日々の生活習慣を見直すことも大切です。たとえば、砂糖の多い食品や飲み物を頻繁にとると、口の中が酸性になりやすく、細菌が増えやすくなります。

また、栄養バランスの偏った食事や不規則な生活も、免疫力を弱めて歯ぐきの炎症を招く原因になります。寝不足や過労も体の回復力を下げ、歯周病が進みやすくなる要因のひとつです。

ストレスがたまると自律神経が乱れ、唾液の分泌量が減って口の中が乾きやすくなるため、細菌が増えやすくなります。適度な運動を取り入れたり、趣味の時間を作ったりして心と体のバランスを保つことも、歯ぐきの健康につながります。

まとめ

歯周病を予防している笑顔の女性

歯周病は、初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行しやすい病気です。歯がぐらつくという症状は、すでに歯周病がある程度進行しているサインであり、放置すれば歯を失うリスクも高まります。

しかし、適切に治療を受ければ進行を食い止めることもでき、歯を残せる可能性もあります。また、日々の正しい歯磨きや生活習慣の見直し、定期的な歯科検診によって、歯ぐきの健康は十分に守ることができます。

歯周病にお悩みの方は、横浜市泉区「立場駅」より徒歩1分にある歯医者「立場駅前歯医者・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、わかりやすい説明と精密でなるべく痛くない治療を提供することを意識しながら、さまざまな診療にあたっています。虫歯・歯周病治療や小児歯科、予防歯科だけでなく、矯正治療などにも力を入れています。

当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

植田 倫太郎

■この記事の監修者

植田 倫太郎

経歴
  • 平成元年 神奈川歯科大学 卒業
  • 平成4年 神奈川歯科大学大学院 歯科矯正科 修了、歯科矯正基礎研修終了
  • 平成14年 歯科クリニックで、一般歯科・予防歯科・矯正歯科・歯周病・インプラント等の治療を担当する
  • 平成14年8月 マンボウ歯科クリニック 開院
  • 令和3年10月 マンボウ歯科クリニック 閉院
  • 令和3年12月 藤沢SST歯科クリニック 開院
  • 令和5年5月 藤沢SST歯科クリニックを泉区に移転、立場駅前歯医者・矯正歯科クリニックに名称変更
修了研修・学会等
  • 1991 ALEXANDER DISCIPLINEBasis Course、ALEXANDER DISCIPLINE Advanced
  • 1992 ALEXANDER DISCIPLINE Advanced
  • 1992 Multiloop Edgewise Archi-Wire Technic-An Advanced Orthodontic Course、神奈川歯科大学歯科矯正基礎研修修了
  • 1993 Straight Wire,The Concept And Apppliance
  • 2006 Postgraduate course of Periodontics
  • 2008 Clear Aligner Course
  • 2014 Basic Complete Denture、Basic Removable Partial Denture、Drill Bite Taking
  • 2015 Diagno Basic Review Removable Partial Denture、The Surgical Microscope Principle Course、Advanced Micro Endoscopic Technique Training Course
  • 2016 Review Complete Denture
  • 2017 Review Crown Bridge、Caries Management By Risk Assessment
  • 2018 Drill Preparation Crown Basic
  • 2019 infection Control
  • 2020 Prostho Total
  • 2021 Basics of Occlusion RKI guideline
  • 日本矯正歯科会会員
  • 日本歯周病学会会員

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